【留学前必見】海外に持っていく薬はどうする?持ち込み規制・常備薬・英文診断書の準備ガイド

「留学には薬を1年分持っていける?」「日本で買った風邪薬なら、海外へ持ち込んでも大丈夫?」「英文診断書は必要?」など、薬の準備で迷う人は多いのではないでしょうか。
留学期間が1年でも、薬を1年分まとめて持ち込めるとは限りません。持ち込める量や必要な書類は、国や薬の成分によって異なります。
この記事では、海外へ持っていく薬の選び方から、主要国の持ち込み規制、英文書類、機内持ち込みの注意点まで解説します。現地で薬が足りなくなった場合の対応も紹介するので、留学準備に役立ててください。
まず優先したいのは、治療に欠かせない持病薬です。そのうえで、渡航先の公式サイトを確認し、現地で薬を補充する方法も考えておきましょう。
留学に持っていく薬は3種類に分けよう
留学用の薬は、次の3種類に分けて考えると選びやすくなります。
- 毎日の治療に必要な持病薬・処方薬
- 渡航直後の体調不良に備える市販薬
- 軽いけがや移動中の不調に備える用品
海外の薬局でも薬は買えます。しかし、商品名や1錠あたりの成分量が日本と同じとは限りません。到着したばかりの時期は、言葉や土地勘の面でも、薬局を利用しにくいことがあります。
すべてを大量に持参する必要はなく、毎日使う薬を優先し、使い慣れた市販薬を少し追加すれば、慣れない生活にも落ち着いて対応できます。
持病薬・処方薬は最優先で準備する
最初に準備したいのは、治療を続けるために欠かせない薬です。
- アレルギーやぜんそくの治療薬
- 皮膚疾患の塗り薬
- 低用量ピルなどのホルモン薬
- インスリンなどの注射薬
- メンタルヘルスやADHDの治療薬
- そのほか、継続して処方されている薬
留学に合わせて、薬を自己判断で減らしたり、服用を中止したりするのは危険です。出発の2〜3か月前を目安に主治医へ渡航先と留学期間を伝え、持参する量や現地での治療について相談します。
同じ成分の薬が海外で販売されていても、商品名や含まれる量が違う場合があります。現地で薬について聞かれたとき、商品名だけでは伝わらないかもしれません。成分の一般名と英語名、薬の強さ、1日の服用量をメモしておくと説明がスムーズです。
市販の常備薬は渡航初期分に絞る
市販薬は、到着後の数日から数週間を乗り切れる程度で十分です。1年間の留学だからといって、1年分を詰め込む必要はありません。
| 薬の種類 | 役立つ場面 | 準備するときのポイント |
|---|---|---|
| 胃腸薬 | 食べ慣れない料理で胃が重いとき | 普段から使っているものを選ぶ |
| 整腸薬 | 食事や生活リズムが変わったとき | 用法・用量を確認しておく |
| 頭痛薬・解熱鎮痛剤 | 頭痛、発熱、生理痛など | 風邪薬との成分の重複に注意する |
| 風邪薬 | のど、鼻、せきなどの軽い症状 | 規制対象の成分がないか調べる |
| アレルギー薬 | 花粉やほこりによる症状 | 眠気の有無も確認する |
| 目薬 | 乾燥やコンタクト使用時 | 液体薬の機内持ち込み方法を確認する |
海外では、日本とよく似たパッケージの薬でも、成分や含有量が異なることがあります。複数の薬に同じ解熱鎮痛成分が含まれている場合もあるため、自己判断で重ねて飲まないようにしてください。
抗生物質や睡眠薬を「念のため」に用意するのもおすすめできません。必要になったときは医療機関を受診し、医師の指示に従って使うことが基本です。
絆創膏や体温計も必要な分だけ用意する
薬と一緒に、絆創膏、消毒用品、酔い止め、虫刺され用の塗り薬、体温計、マスクなども用意しておくと便利です。
いずれも現地で購入できるものが多いため、たくさん持っていく必要はありません。普段よく使うものに絞れば、荷物もすっきりします。
留学でも薬を1年分持ち込めるとは限らない
1年間の留学であっても、1年分の薬を一度に持参できるとは限りません。主要な留学先では、個人使用として持ち込める処方薬を1〜3か月分程度としている例が見られます。
主要5か国の持ち込み量の目安
次の表では、日本人に人気の留学先5か国について、処方薬や規制薬の主な持ち込み条件をまとめました。
国によって「一般の処方薬」と「規制薬」の扱いが異なるため、数量だけを単純に比べることはできません。また、表に記載した量まで必ず持ち込めるという意味でもありません。自分が使っている薬の成分を調べたうえで、各国の公式情報を確認してください。
| 国 | 一般的な目安 | 規制薬などの注意点 |
|---|---|---|
| アメリカ | 外国籍の渡航者は90日分が一つの目安 | 規制薬はFDAだけでなくDEAの規制も確認する。元の容器、処方せん、医師の証明書を用意する |
| カナダ | 訪問者の処方薬は個人使用量として90日分が目安 | 麻薬・規制薬には30日分までの区分があり、入国時の申告が必要。薬の区分によって条件が異なる |
| イギリス | 規制薬は3か月分まで | 本人への処方を示す医師の証明書が必要。3か月を超える場合は現地での処方が基本となる |
| オーストラリア | Traveller’s Exemptionでは3か月分まで | 元の包装、処方せんまたは医師のレターを用意する。一部の成分は許可が必要、または持ち込みできない |
| ニュージーランド | 処方薬は3か月分まで | 規制薬は1か月分まで。処方せんの写しまたは医師の証明書、元の容器が必要 |
アメリカのFDAは、外国籍の渡航者が個人使用の薬を持参する場合90日分を一つの目安として案内していますが、薬の承認状況や成分によって扱いが異なります。90日分以内なら、どの薬でも持ち込めるわけではありません。詳しくは、FDAのPersonal Importationをご覧ください。
カナダでは、訪問者が持参する一般的な医薬品は個人使用量が基本です。一方、麻薬や規制薬は「1回の治療分または30日分のうち少ない量」など、薬の区分に応じた条件があります。カナダ保健省の案内で、自分の薬がどの区分に当たるかを調べておきましょう。
イギリスの3か月分という条件は、主に規制薬についての案内です。オーストラリアでは旅行者向け免除制度により、多くの薬を3か月分まで持ち込めます。ニュージーランドでは、処方薬は3か月分、規制薬は1か月分までです。詳しい条件は、イギリス政府、オーストラリアTGA、ニュージーランドMedsafeの案内を確認してください。
1年分を持ち込めない場合はどうする?
長期留学では、持ち込みが認められる分だけを持参し、残りは現地で補充する方法が現実的です。
出発前に整理しておきたいのは、次の5点です。
- 日本から持参できる日数
- 現地で同じ成分の薬を入手できるか
- どの医療機関を受診すればよいか
- 診察代や薬代が保険の対象になるか
- 薬がなくなる何週間前に予約すればよいか
日本の処方せんは、海外の薬局でそのまま使えないことがあります。英文の診療情報を現地の医師に見せ、あらためて処方を受ける方法を考えておきましょう。
また、日本にいる家族から薬を郵送してもらえるとは限りません。郵送が禁止されている薬や、現地医師の処方せんがなければ受け取れない薬もあります。自己判断で送ってもらわず、渡航先の輸入規制と配送会社の条件を先に確認してください。
薬が切れる直前になってから動くと、診察の予約や取り寄せが間に合わない可能性があります。到着後の早い段階で受診先を調べ、残りが1か月分程度になったら動けるようにしておくと慌てずに済みます。

薬の持ち込みは「成分名」で確認する
日本で一般的に使われている薬でも、海外では禁止薬や規制薬に当たることがあります。そのため、日本から持ち出す際の手続きと、渡航先へ持ち込む際のルールの両方を確認しなければなりません。
確認は、次の順番で進めると分かりやすいです。
- 医師や薬剤師に、薬の成分名と英語名を確認する
- 渡航先の政府機関や税関の公式サイトで成分名を検索する
- 分からない点を在日大使館や領事館へ問い合わせる
- 日本から持ち出す際の手続きを厚生労働省で確認する
- 乗り継ぎ国がある場合は、その国の規制も調べる
日本側で持ち出しの許可を得ても、渡航先への持ち込みまで認められたことにはなりません。商品名は国によって異なるため、検索には成分の一般名を使います。持参する書類や薬の包装については、厚生労働省「海外渡航先への医薬品の携帯」でも案内されています。
市販薬にも規制される成分がある
ドラッグストアで購入した市販薬も、必ず持ち込めるわけではありません。風邪薬、せき止め、鼻炎薬、睡眠改善薬などには、複数の成分が含まれていることがあります。
外箱や説明書は捨てず、成分表を確認できる状態で持参してください。錠剤だけをピルケースへ移すと、税関で薬の内容や本人用であることを説明しにくくなります。
粉薬や一包化された薬も、見た目だけでは中身が分かりません。一包化が必要な人は、英文表示や説明書類を用意できるか、薬を受け取る薬局で聞いてみてください。
処方薬は元の容器や包装のまま持参する
処方薬は、薬局から受け取ったときの容器やPTPシートのまま保管します。本人の氏名、薬の名前、用法などが分かるラベルも残しておきましょう。
書類は、薬の種類や渡航先のルールに合わせて準備します。処方せんの写しや薬剤情報提供書、お薬手帳の写しに加え、英文の薬剤リストや医師のレターが必要になる場合があります。規制薬では、渡航先が発行する許可書を求められることもあります。
日本語のお薬手帳だけでは、入国審査官に内容が伝わらない可能性があります。英文書類は薬と一緒に携帯し、紛失に備えてスマートフォンなどにもデータを保存しておくと便利です。
英文診断書には何を書いてもらう?
「英文薬剤証明書」「英文診断書」「医師の証明書」には、すべての国で共通する決まった様式があるわけではありません。まず渡航先が指定する書類や記載項目を確認し、その内容を主治医へ伝えて作成を依頼します。
一般的には、以下の情報が必要です。
- 患者の氏名と生年月日
- 病名または治療が必要な理由
- 薬の商品名、成分の一般名と英語名
- 剤形、規格、1回量、1日の服用回数
- 持参する総量と治療予定期間
- 渡航先と渡航期間
- 医師の氏名、医療機関名、住所、連絡先
- 発行日と医師の署名
入国時には、「誰の薬なのか」「何の治療に使うのか」「どの成分を何日分持っているのか」を説明できることが大切です。
英文書類の発行には時間や費用がかかる場合があります。渡航直前に慌てないよう、持ち込み規制を調べた段階で医療機関へ相談してください。
ADHD治療薬などは特別な手続きに注意
ADHD治療薬、睡眠薬、抗不安薬、強い鎮痛薬などの一部は、麻薬、向精神薬、覚醒剤原料などに分類される場合があります。たとえば、ADHD治療薬に使われるメチルフェニデートは、日本では向精神薬の対象です。
薬の規制区分は、病名や商品名だけでは判断できません。同じ目的で使われる薬でも、成分によって必要な手続きが変わります。まずは医師や薬剤師に、成分名と日本での規制区分を聞く必要があります。
日本から医療用麻薬や覚醒剤原料を持って出国する場合は、地方厚生局麻薬取締部の事前許可が必要です。申請期限は原則として出国日の2週間前までですが、書類の準備にも時間がかかります。対象となる可能性がある人は、余裕を持って手続きを始めてください。申請方法や提出先は、厚生労働省 麻薬取締部の案内で確認できます。
薬はスーツケースに入れても大丈夫?
毎日使う薬や緊急時に必要な薬は、機内持ち込み手荷物へ入れるのが基本です。預け入れ荷物が遅れたり紛失したりしても、治療を中断しにくくなります。
飛行中と到着後に使う処方薬、数日分の予備薬、吸入薬、アレルギーの緊急薬などは、取り出しやすいポーチへまとめます。処方せんの写しや英文書類、入国許可書の原本も一緒にしておくと、保安検査や税関で説明しやすくなります。
インスリンなど温度管理が必要な薬は、保冷剤を使えるか航空会社へ事前に確認してください。機内の冷蔵庫で預かってもらえるとは限りません。薬によっては凍結を避ける必要もあるため、適切な保管温度を医師や薬剤師へ聞いておきましょう。
液体薬は保安検査で申し出る
日本発の国際線では、一般の液体物は100ml以下の容器に入れ、容量1L以下の透明な袋へまとめるのが基本です。
飛行中に必要な目薬、シロップ、液体の処方薬などは、液体物制限の適用外になる場合があります。保安検査では手荷物から出し、医薬品であることを伝えてください。必要性を尋ねられたときに備え、処方せんの写しや英文書類もすぐ出せる場所へ入れておきます。日本発国際線の取り扱いは、国土交通省「国際線の航空機内への液体物持込制限」で確認できます。
乗り継ぎ空港で、もう一度保安検査を受けることもあります。日本から持ち出せても、乗り継ぎ先で同じ扱いになるとは限らないため、航空会社と乗り継ぎ空港の案内も確認してください。
税関申告書には薬を正しく記入
税関申告の方法は国によって異なります。紙の申告書だけでなく、空港の端末やオンラインで回答する国もあります。
申告書に「医薬品」「処方薬」「規制品」などの質問がある場合は、持参する薬が対象になるか確認しましょう。
自由記入欄がある場合は、次のように書けます。
Prescription medication for personal use, 90-day supply.
本人が治療に使う処方薬・90日分
薬の成分名も書く場合は、次のように記載します。
Sertraline 50 mg, prescription medication for personal use.
セルトラリン50mg・本人が治療に使う処方薬
税関で提示できるよう、次のものを手荷物へまとめておきましょう。
- 購入時や処方時の容器に入った薬
- 処方せんの写し
- 医師が作成した英文の証明書
- 持ち込み許可書
申告が必要か迷った場合は、申告したうえで税関職員へ確認するほうが安心です。

現地で薬が足りなくなったときの対処法
現地で薬が足りなくなった場合や体調を崩した場合は、一人で薬を選ぶ前に、加入している保険のサポート窓口や現地の薬剤師へ相談してください。
日本語サポートを使って受診先を探す
海外旅行保険や留学保険には、日本語の相談窓口が付いている商品があります。24時間相談、医療機関の紹介、電話通訳、キャッシュレス受診など、利用できるサービスは保険会社やプランによって異なります。
問い合わせるときは、保険証券番号、現在地、症状、服用中の薬、アレルギーなどを伝えます。慌てていると説明しにくいため、保険証券番号と連絡先はスマートフォンにも保存しておくと便利です。
持病の診察や定期薬の補充は、保険の対象外になることがあります。加入前に、既往症や定期受診、処方薬の補償条件まで確認しておきましょう。
海外の薬局では商品名より成分名を伝える
海外で薬局を探すときは、地図アプリで「pharmacy」と検索します。イギリスやオーストラリアでは、「chemist」と表示されることもあります。
薬剤師には、症状が始まった時期、服用中の薬、アレルギー、持病などを伝えてください。日本で使っていた薬がある場合は、成分名を見せると伝わりやすくなります。
海外の薬は、日本より1錠あたりの成分量が多い場合もあります。箱の見た目や商品名だけで選ばず、薬剤師に用法・用量を聞いてから服用してください。
なお、日本で「アセトアミノフェン」と呼ばれる解熱鎮痛成分は、アメリカやカナダでは「acetaminophen」、イギリスやオーストラリアでは「paracetamol」と表示されるのが一般的です。名前は違っても同じ成分なので、重ねて服用しないよう注意してください。
処方薬は現地の医療機関で補充する
処方薬を補充する場合は、現地の医療機関を受診し、現地の処方せんを発行してもらうのが一般的です。パスポート、保険情報、英文の診療情報、服用中の薬の一覧を持参すると、これまでの治療内容を説明しやすくなります。
オーストラリアでは、通常「GP」と呼ばれる総合診療医を最初に受診します。カナダでは、家庭医を持たない留学生がウォークインクリニックを利用することもあります。受診方法や待ち時間は地域によって異なるため、学校や保険会社に利用しやすい医療機関を聞いておくとよいでしょう。
息苦しさ、意識障害、激しい痛み、大量出血などがある場合は、薬局ではなく現地の救急番号へ連絡してください。緊急番号は国ごとに異なります。渡航前に調べ、スマートフォンへ登録しておきましょう。
薬の準備は出発の2〜3か月前から始めよう
海外へ持っていく薬は、多ければ多いほどよいわけではありません。まずは治療に必要な持病薬を優先し、市販薬は渡航直後に使う分へ絞りましょう。
長期留学では、薬を1年分まとめて持ち込めないケースもあります。手元の薬を成分名まで書き出し、渡航先の規制や必要書類を一つずつ確認してください。現地での受診先や補充方法まで決めておけば、薬が減ってきたときにも落ち着いて対応できます。
準備の第一歩は、現在使っている薬を一覧にすることです。その一覧を持って、出発の2〜3か月前までに主治医や薬剤師へ相談すると、必要な手続きが見えてきます。
留学先の医療事情や保険選びにも不安がある場合は、ISS留学ライフへ早めに相談してみてください。渡航後の生活を具体的に思い描きながら、必要な準備を進められます。







































