【留学のプロが解説】未成年の留学で出発前に必要な書類と親の同意書について

「留学の準備といえば、学校選びとか語学の勉強がメインでしょ?」——そんなふうに思っている方も多いのではないでしょうか。しかし、未成年の方が海外に行く場合は、思った以上に準備すべき書類がたくさんあるのです。
18歳未満の未成年は、大人の留学とは違う追加の手続きが必要になります。親の同意書、健康関連の書類、場合によっては後見人の手配まで…。こうしたことを知らないまま出発準備を進めると、出発直前や現地で困ることも。
特に近年では、各国の入国管理や医療制度が厳格化しており、「書類不備で飛行機に乗れなかった」「ビザが下りなかった」というトラブルも少なくありません。こうした問題を回避するためにも、出発前にやるべきことをきちんと押さえておくことが大切です。
この記事では、未成年が海外留学する際に必要な書類や手続き、そして親権者の同意書について詳しく解説していきます。読んでおくだけで、準備の見通しが明確になりますよ。
まずは確認!留学先における未成年の定義と手続きのポイント
留学先によって、「未成年」という年齢の区分が異なります。この違いが、提出する書類や必要な手続きに大きく影響します。
留学先となる国・地域において「何歳からが成人なのか」を正しく理解し、それに合わせた準備を進めていきしょう。
国・地域別の成人年齢と未成年の定義
国・地域 | 成人年齢 | 未成年の定義 | 注意点 |
---|---|---|---|
日本 | 18歳 | 18歳未満 | 2022年4月より成人年齢が18歳に引き下げられました。留学手続き上もこの年齢が基準となります。 |
アメリカ | 18歳 | 18歳未満 | 州によっては、医療行為や契約に関する年齢制限が異なる場合があります。事前に確認が必要です。 |
カナダ | 18歳または19歳 | 州により異なる | ブリティッシュコロンビア州など、一部の州では19歳未満が未成年となります。留学先の州のルールを確認しましょう。 |
イギリス | 18歳 | 18歳未満 | 教育機関によっては、16歳以下のお子様に対する対応が異なる場合があります。事前に学校にご確認ください。 |
オーストラリア | 18歳 | 18歳未満 | 未成年者の留学においては、現地での保護者(ガーディアン)の指定が義務付けられるケースが多いです。 |
留学先によって成人年齢は異なります。留学先の成人年齢を必ず確認し、必要な手続きを把握するようにしてください。
より詳しい情報はこちらをご確認ください → 国ごとの成人年齢について
未成年の留学で特に注意すべきポイント
未成年の留学には、大人の留学にはない追加の確認や手続きが必要となります。
- ビザの申請方法: 未成年者単独ではビザを取得できない国や、保護者の方の情報や同意書の提出が必須となる場合があります。
- 現地保護責任者(custodian)の指定: カナダや一部のアメリカの州では、留学中にお子様の保護責任を負う成人(custodian)を現地で指定する必要があります。
- 医療同意書の必要性: 留学中に緊急で医療処置が必要になった場合、事前に保護者の方の書面による同意が求められることがあります。
- 航空会社の規定: 未成年者単独での渡航には、航空会社が定める特別な規定がある場合があります。事前に航空会社に確認が必要です。
以上の点に注意し、早めに情報を収集し準備を進めることが大切です。
出発前に確認!未成年の留学に必要な書類チェックリスト

出発までに必要な書類をしっかりと揃えることで、ビザ申請や入国審査がスムーズに進みます。以下は、未成年が留学する際に一般的に求められる書類のリストです。
書類名 | 提出の目安時期 | 補足事項 |
---|---|---|
パスポート | 渡航の3か月前までに有効期限確認 | 有効期限は滞在予定期間+6ヶ月が望ましい。古いパスポートでは入国できない国も。 |
学生ビザ/観光ビザ申請書類 | 渡航の2〜3か月前には申請開始 | (例:アメリカF-1、カナダStudy Permit)短期語学留学は観光ビザでも可の国も。 |
入学許可証(Acceptance Letter) | 学校から送られ次第すぐ保管 | ビザ申請や入国審査で必須。原本またはPDFの指定がある場合も。 |
海外旅行保険証書 | 渡航の1か月前までに加入 | 学校指定の保険がある場合はそちらを優先。補償内容の確認も重要。 |
成績証明書・在学証明書・推薦状 | 2〜3か月前までに学校に依頼 | 書式・言語の指定があることも。事前に学校へ要確認。 |
健康診断書・予防接種記録 | 1か月前までに作成・翻訳完了 | 英訳が必要な国もあり。アレルギーや既往歴の記載も忘れずに。 |
親権者の同意書(Parental Consent Form) | 渡航の1か月前までに準備・印刷 | 未成年の単独渡航には必須。英語で作成、公証人の署名が求められることもあり。 |
※実際に必要な書類は国、渡航期間、受け入れ学校によって異なります。詳細はISS留学ライフにお気軽にご相談ください。
重要な書類!親権者の同意書について
親権者の同意書(Parental Consent Form)は、未成年が単独で海外へ渡航し、留学生活を送る上で非常に重要な書類です。主に以下の目的で使用されます。
- 渡航許可: 未成年の出国および留学先への入国を許可する証明となります。
- 教育機関への登録: 留学先の学校への入学手続きや在籍に必要な場合があります。
- 緊急時の医療同意: 留学中に緊急の医療処置が必要になった際に、事前に保護者の方の同意を示すものです。
保護者の同意書に記載すべき基本項目(例)
渡航者(子ども)の情報 | 氏名、生年月日、パスポート番号、国籍 |
渡航内容 | 渡航先(国・都市)、出発日と帰国日、旅行の目的(例:語学研修、ホームステイ、学校の交流プログラムなど) |
同行者の情報(該当する場合) | 氏名、関係(祖父母、親戚など)、住所、生年月日、パスポート番号、連絡先 |
現地滞在先の情報 | ホストファミリー名/宿泊先名、住所、電話番号 |
責任者(custodian)の情報(必要国のみ) | 氏名、住所、電話番号、パスポート番号など |
親権者の情報と署名 | 氏名(父・母)、署名、署名日、住所、電話番号、メールアドレス |
医療行為への同意文 | 応急処置、入院、治療の同意などを明文化 |
同意書は原則として英語または渡航先の言語で作成し、必要に応じて公証人の認証を受ける場合があります。留学先の国や教育機関によって指定の書式がある場合もあるので、事前に確認しましょう。
同意書の提出先とタイミング
- 航空会社: 空港でのチェックイン時や搭乗手続きの際など
- 大使館・領事館: ビザ申請時に必須書類となる国がある
- 入国審査: 留学先の空港で入国審査を受ける際に、未成年者であることを理由に提示を求められることもある
- 留学先の教育機関: 入学手続きやオリエンテーションの際など
提出先に応じて必要な部数を準備し、お子様自身にもコピーを持たせておくと安心です。
事例から学ぶ!よくあるトラブルと保護者としてできる対策

未成年の留学では、書類の不備や認識不足が原因でトラブルが発生することがあります。トラブルの例をあらかじめ知って、しっかり準備しておくことで安心して留学生活をスタートできます。
書類不備・確認漏れによるトラブル例
- ビザ申請却下: 申請書類の記入漏れ、翻訳の不備、親権者の同意書の形式不備などが原因で、ビザが却下されることがある
- 出国審査での足止め: 親権者の同意書不備や未持参により、空港の出国審査で搭乗を拒否されることがある
- 現地での医療遅延: 緊急時に必要な医療同意書がないために、ホストファミリーや学校が迅速な対応を取れず、治療が遅れることがある
保護者の皆様ができる3つの対策
- 余裕を持った準備: 出発の2~3ヶ月前から情報収集を始め、書類の準備に取り掛かりましょう。不明な点は専門機関に相談することをおすすめします。
- チェックリストの活用: 必要な書類、翻訳の有無、提出期限などをリスト化し、一つずつ確認していくことで、漏れを防ぎます。
- 専門家への相談: 留学エージェントや行政書士など、留学手続きに詳しい専門家のアドバイスを受けることで、安心して準備を進めることができます。
お子様の留学準備は、専門家のサポートで安心を
未成年の海外留学は、多くの書類準備と、大人とは異なる手続きが必要です。保護者の皆様にとって、不安や疑問も多いことと思います。
「何から手をつければいいか分からない」「書類に不備がないか心配」といったお悩みをお持ちでしたら、ぜひ専門のサポートをご活用ください。
ISS留学ライフでは、未成年の留学を長年サポートしてきた経験豊富なスタッフが、書類準備からビザ申請、親権者の同意書作成まで、丁寧にサポートいたします。お子様が安心して留学生活を送れるよう、全力でサポートさせていただきますので、どんなことでもお気軽にご相談ください。
まずはお気軽に留学カウンセリングにてご相談ください!留学に関する疑問や不安を、一緒に解消していきましょう!